和くらし・くらぶ

和くらし通信

~伊万里有田から金沢、富山の旅~

2022.6.21


🍀伊万里有田焼上絵付の工房訪問

和くらし・くらぶのメンバー2人は、いち早く梅雨入りした東京から、梅雨入りしたての佐賀県伊万里有田に行きました。車窓から流れていく田植えまっ盛りの田園景色と若々しい木々の緑は、私たちにパワーを与えてくれました。
今回の旅は、伊万里有田焼の上絵付の女性伝統工芸士さんにお会いしたいという方をお連れする目的です。工房の軒先にはツバメの巣。3羽のヒナが出迎えてくれました。
少し高台にあるこちらの工房は、眼下に田畑が広がり、その先の低い山並みが目に優しく、素晴らしいことこの上ありません。この景色を見ながら創作されたのがあの繊細で美しい絵柄の器たちなんだ!と納得。訪問した皆さんは、才能溢れる先生方の作品に触れ、それぞれが思いっきりイマジネーションを広げていました。その後、全員で大川内山に移動し、町のいたるところで伊万里有田焼の歴史を感じて、この日の任務を終了しました。


🍺グルメ①

伊万里でご紹介いただいたのは、旬の食材と創作料理がおいしい櫓庵治(ろあじ)伊万里店。とても落ち着いた雰囲気のお店で、近海で釣れた魚介をふんだんに使ったお料理はどれも美味。ワインにも日本酒にもぴったりでした。伝統工芸を大切に思う仲間との懇談は、いつだって美味しすぎます。


🍀矢鋪與左衛門窯訪問

伊万里有田焼の伝統工芸士で現代の名工である矢鋪さんに、磁器のろくろ成形について実演しながら詳しく教えていただきました。丁寧に準備された磁器粘土をろくろに乗せ、ろくろ成形を習得する順番にハマ※、飯碗、煎茶碗、湯吞み、皿を正確に作る。何千点何万点と作りスピードと正確さを獲得したという。私たちは全員、時を忘れて食入るように矢鋪さんのしなやかで大きい手を見つめていました。工房では、お弟子さんで伝統工芸士の白須美紀子さんが師匠を上回るろくろ技術に達したとか。工房、登り窯、米、野菜、はちみつ、菜種油。すべて矢鋪さんたちの手作りというから驚きます。矢鋪さん!お忙しい中ありがとうございました。


※ハマとは、窯で焼成する際に作品がくっつかないように下に入れる丸く小さな形をした焼台のこと。



🍀工房ひょんの木訪問

九谷焼の伝統工芸士 井出幸子さんが主宰する金沢の工房を訪問しました。こちらの建物は築160年の武家屋敷で屋敷と土壁が国の有形重要文化財となっています。九谷焼の制作や陶磁器の金継ぎを学ぶこともできます。「金沢で展示会をやるときは声を掛けてね。お手伝いするわよ!」と頼もしいお言葉を頂きました。私は井出さんの描いた美しい九谷焼の飯椀を自分用に購入しました。やっぱり買い物って楽しいと思ったのでした。


🍺グルメ②

金沢の夜は、昔お世話になったお地元の方の行きつけの居酒屋「くぼ田」へ。なんとその方は奥様と毎晩のようにいらっしゃるとのことで、お店の方との遣り取りもリズミカル。昔の苦労話や亡くなられた方や病気の話に盛り上がり、これはまさに年寄りアルアルだとちょっと可笑しくなりました。岩ガキ、味付けバイ貝、アジの刺身、白エビのから揚げ。ここでしか食べられない活きのいい海の幸と地酒が、話に勢いをつけました。苦しいことも一緒に乗り越えた仲間と、懐かしい思い出話を語り合いました。同席された若手の女性和紙作家さんから、「皆さんのお話に感動しました!」と言われたのは予想外でしたが、大変なことを乗り超えた経験は宝物だって気づかれたかな。金沢も素晴らしい夜となりました。


🍀富山大和百貨店 「小岩井紬工房展」に小岩井カリナさんを訪問

富山駅からトラムで大和百貨店に。鮮やかな水色の上田紬の着物を着たカリナさんはじっくり接客され、草履とストールをお買い上げになったお客様を丁寧に見送られました。カリナさんにとって初めての富山。新しいお客様との出会いを和くらし・くらぶの二人も喜んだのでした。カリナさんのこれからの歩みを応援しようと思いつつ!
分刻みのスケジュールをこなして、2泊3日の伊万里有田から金沢、富山の旅は実に中身の濃いいものとなりました。この旅で出会った皆さん、お世話になりありがとうございました!

以上